052-言葉。

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一生心に刻まれる言葉。
嬉しくて何回も何回も反芻して、
それだけで生きていけそうな言葉。
私はそれをユウヤ君にもらった。

二人で飲んだ数日後、私の予定外の休みでまた会えることになった。
「次はどうする?」
「朝飯と昼飯が一緒になったヤツしよ」
ハイハイ、ブランチね。
大人っぽく落ち着いた蕎麦屋なんかいいかなぁ。
ってことでネットで探したお店に行ってみたら、すごく素敵で大当りだった。
お蕎麦と、丁寧に造られたお刺身、豆腐とサラダのついたお膳が出てきて。
で、良く冷やされた備前焼のジョッキに程よく泡立ったビール。
カウンターに並んで座って。
時間に縛られずに、あれこれ話しながらゆっくりとランチを楽しむ。
そういえば、ランチも初めてだなぁ。

店を出てからは、街をフラフラ。
暑いけど風がそよそよしてて気持ちがいい。
こんな天気の日に、好きな男とのんびり過ごせる幸せを改めて感じる。
ユウヤ君の服選びをしたり、ウィンドウショッピングしたり。
途中で喫茶店に一緒に入って、あっ、コレも初めてと嬉しくなる。

私達はいろんな好み、特に味覚がすごく似ている。
ラーメンの味でも、アルコールでも、チェーン店のコーヒーの好き嫌いでも。
「レバ刺し大好きだったのになぁ、残念」
初めてそんな話をしたら、ユウヤ君も勢い込んで同調する。
「だよな~、あんな旨いモノないって」
どうでもいいことかもしれないけど、お互いにそうそうと共感する。

あと、大事なこと。
一緒にいて、なんとなく次はこうしたいなぁ、って流れが同じ。
その日も夕方になってきて、いつもならホテルなんだけど、
喉も渇いたし、また二人で飲みに行くのもいいなぁ、なんて考えてた。
そしたら、ユウヤ君のほうから言い出す。
「ホテルもいいんだけど、なんかビール飲みたくね?」
以心伝心。
今までにも、何回かこんなことあったっけ。
なんでだろ?
なんとなく気持ちが伝わる。
自然におんなじこと考えてる。

今月の占いを思い出す。
《恋愛運がとても上昇している期間です》
《特にカップルの方は一つの大きな進展を迎える可能性がある月です》
《恋する気持ちや愛情がとても高まる時で、
同時に「これからの愛」をも気にするようになるでしょう》

話しながら、ユウヤ君データがまた増える。
これは私の勝手な推測だけど、
浮気相手に、かなりヤバい目にあったコトあるんじゃないかな?
多分、計算して遊んでるんじゃなくて、言い寄られると断らないんだろうな。
でも、私はその不器用さも好きだよ。
本当の遊び人はもっと上手に遊ぶでしょ。
嘘もつくし、用意周到に自分や家庭を守る。
ユウヤ君がどれだけ遊んだか、正確な人数は知らない。
本人も覚えてないらしいし。
だけど、遊んで遊んで遊びまくったことが、
今のあなたの魅力になってる、ってそう思う。

ホテルじゃない場所で会いはじめてから、より素顔が見えてくる。
気持ちがほっこりして、好きが積み重なってく。
ユウヤ君が私にスマホのスケジュール表を見せる。
「ほら、このビールジョッキのマークが飲み会で」
「お前に会う日はコレ」
見るとビールジョッキがニッコリ笑ってる。
6月、5月、4月、さかのぼって見せてくれる画面には、確かにそのマークが入ってる。
この日は、ホテル出てから初めて街をぶらついたね。
二人とも、なんだかおかしいくらいにはじゃいでたっけ。
この日はなかなか予定があわなくて、夜の10時近くにやっと会えた。
バスタブで寝てしまいそうなくらい疲れてた私を、
ユウヤ君がいつになく慈しむように見つめてくれたっけ。
ひとつひとつを思い出す。

私が望むのは、この恋の延命だけ。
お互いの家庭をどうこうしようなんて、
そんなだいそれた気持ちはない。
今まで築いてきて、守って行きたいものがある気持ちは、多分同じ。
お子さんへの愛情もいつも感じる。
でも、彼が万が一奥さんと別れたり、あるいは先立たれたり、
そんな未来になったとしたら、彼を支えたい。
私は全部投げ出しても、ユウヤ君のところに駆け付ける。
「認知になったら私が介護してあげるからね」
「オムツ替えもうまくなったし任せてね」
冗談めかして言うけれど、本音。
ユウヤ君は笑ってる。

帰り道、結構酔っ払った私達は腕を組みながら駅への道を歩く。
ふいに足を止めてユウヤ君が言う。

「…オレ、まだこれからも、ちっとは遊んじまうかもしんねぇけど」
まだ遊ぶ気あるんだぁ。
なんかおかしくなって、思わずクスッと笑う。
でも、まだ40代半ばだしね。

「でも、最後は絶対にお前のトコに帰ってくるから」

「最後はお前でいい」

嬉しかった。
ただただ嬉しかった。
付き合いが深まってきて、
彼が私を大切に思ってくれるのは感じてた。
だけど、今までなにも口に出しては言ってくれなかった。
そんな俺様で口下手で不器用な彼が言ってくれた。
酔っ払ってのリップサービスでもかまわない。
明日には忘れていても、それでもいい。

私はユウヤ君に出会えてよかった。
そして、こんな言葉をもらえてよかった。
この先、たとえ二人が離れていったとしても、
私の中にこの言葉は残る。
馬鹿みたいに遊んだ5歳下の男が、
18年もセックスレスで、自分を卑下しかしてこなかった私に言ってくれた。
ユウヤの言葉だけで、この先も生きていける。
ありがとう。


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052-言葉。 への8件のフィードバック

  1. のコメント:

    久しぶりの更新で〜す♪

    現実生活をしてく上で、奥さん(旦那さん)を家族として思い生活している気持ち!よく解るな。

    私も同じで、家族として現実生活の良いパートナーとして家内と上手く生活をしていますが「何か足りない、淋しい」

    家族としても生活出来ないならお互いの為と離婚も出来るだろうけど…

    家族愛と男女愛とはイコールにならず難しいですね。

    「今、この時を満足出来ないのに、これから先の幸せは無い」と言う思いで、今まで虚しく過ぎ去った時間を取り戻す為にも、今からドンドン幸せを感じて下さいね♪

    私も男としてのオーラが出てるうちに(苦笑)ミオコさんのような素敵な女性と出会えると嬉しいのですが。

    • ミオコ のコメント:

      いつもコメントありがとうございます。
      なんだか短い間にいろいろなことがありすぎて。
      うまくまとまらず、今回は何度も何度も推敲しました。
      読んでくださる皆様に感謝です。

      そうなんですよね。
      私も夫に家族愛は、十分すぎるくらいにあるんです。
      愚痴もこぼさず、一生懸命家族のために働いてくれるのは、私が一番にわかってるし。
      何よりも家族を大切にしてくれてるし。
      年頃の娘との関係もずっといい感じで、娘は多分ファザコンだし。

      むずかしいですね、いろいろ。
      性欲が人並みに(せめて1/10でも)あったらよかったのになぁ。

      私がこれからどんなふうに歩んでいくかは、私自身わかりません。
      でも、そのときの気持ちを嘘偽りなく書いていきますね。
      ごくごくフツーな五十路オンナの恋愛ですが、気が向いたらまた覗いてみてください。

  2. もも のコメント:

    お久しぶりです。

    最高の言葉のプレゼント、本当によかったですね。
    いつもミオコさんのブログは、あまりに自分の気持ちとリンクして涙が出てしまうのですが、今回は本当に嬉しくて、よかったな・・・って泣きました。

    そうなんですよね。好きな人とはただ触れ合いたい、温もりを感じていたい・・・。
    そんな感触と安心できる言葉と積み重ねた思い出は、とても大切な宝物。
    人は死んだら、どんなに気に入ったものでも一緒に持っていくことはできないけれど、心の中の大切なものは自分と共に光になるんだろうと思うのです。

    以前、切符を持って彼のところへ行ったら?と言って下さいましたよね。
    私、海外と日本の距離を超えて、この数年の間に3回も会いに行っていたんですよ。実は。
    でも、彼の気持ちは変わらなくて。我慢するの大変なんだよ、と言いながら私から求めた握手だけ。最後は去年の今頃でした。
    手を握り返してくれた感触は今も嬉しい半面、とっても切なくもあり。。。
    一度決めた事、男らしく貫こうとしているんだなと。

    ミオコさんの記事やコメントなども読んで、彼が今そうであるように、子供が小さいうちは、夫婦そろって必死に同じ方向を見なければならない時期があるということや、また思春期になれば父親の存在が必要になってくることを改めて知り、彼はやっぱりまっとうな父親を子供に見せたいんだろうなと今では少しずつ理解できるようになりました。
    このブログのお陰です。
    彼のメールはとても短いのですが、先日数カ月ぶりにメールをしてみたところ、いつになくその日に返事がきて、たった数語ですが私を気遣う言葉があり、心に灯が燈る思いがしました。
    気が向いたら電話してと返信しましたが、その後は何もありません。
    またブレーキかけているのでしょう。

    でも、縁のある人だったら、自分でどうこうしなくても、きっとまた会える機会を神様からもらえるはずと思っています。国際線乗ってホテルとって・・・結構お金も大変でしたから、三度目も彼が来なかった事にもうぐったり、想い疲れてしまったのもあります。
    それに、想いを残したまま、身体はお預け状態は、大げさにいえば蛇の生殺しに近いです(笑)。更年期近くでのこの状態は結構応えますね。

    色んな人を見てみようという気に最近なりました。
    どうあっても、罪悪感をもたない、自分が一番満たされるのはどういうことなのか、その真理に触れてみたいと思っています。

    ミオコさんの心からのお幸せと、ユウヤさんとの大切な繋がりが永遠に続きますよう、お祈りしています。
    最後にミオコさんにプレゼント。
    http://www.youtube.com/watch?v=9y6_080L0v0&feature=related
    海外にいたので、リアルタイムでは聴いていなかったのですが、今偶然ヘビロテ中です。
    よかったら聴いてみてください。

    • ミオコ のコメント:

      ももさん、コメントありがとうございます。
      なかなか更新のままならないブログを読んで下さるだけでなく、
      こうして長いコメントいただけれこと、言葉に出来ないくらいうれしいです。

      ももさんの恋は、やはり海を越えていたんですね。
      なんとなくそうではないかと思ってましたが。
      私なんかより、さらにドラマチックですね。

      きっと相手の方は、自分を律する気持ちがすごくあるんでしょうね。
      私はとてもいいなぁ、と思います。
      一線越えるのは簡単だし、ばれなければ、と思う男のほうが圧倒的多数だし。
      でも、ももさんのことが大事だからこそ、軽々しい行動に出ないのが、よくわかります。

      けど他を見よう、という気持ちも大切ですね。
      私の予想では、いつかお二人の道筋はクロスする、そんな気がします。
      ただ、まだまだ時間は要りそうなんで、それまで他の人をみるのもテですよね。
      そして、やっぱり彼を上回る人がいなければ、気長に待とう、と思えるし。
      縁のある間柄なら、必ずどこかで、また巡り会えるし。
      長く生きてると、そういうこと、信じられるようになりますよね。

      倖田來未の「ふたりで」
      教えていただいて、本当にありがとうございます。
      私もヘビロテになりそう。

      どうか、縁あってこのブログを読んで下さる方の、
      お一人お一人が、それぞれに幸福でありますように。
      願ってやみません。

      私とユウヤ君もどこにたどり着くかは、神のみぞ知る!です。
      でも、かけがえのない一瞬一瞬を、愛おしみながら過ごしていけたら。
      そう思う毎日です。

  3. のら のコメント:

    偶然・・いや必然でした、このブログにたどり着いたのは多分
    正直最初は興味本位でした。すみません
    読み進むにつれまるで自分、でなく自分たちのことを読んでいるようでした。
    このことは追追話させてもらうとして、ミオさんの几帳面なしっかりした文章を
    見るに付け真面目で実直な方なのが感じられコメントする決心をしたわけで・・・
    申し遅れましたが、私は今年満1歳(笑)になった男です。
    ご多分にもれず我が家も二十数年レスです。ミオさん始めなぜこんなにも世の中  うまくいかないのかと日々嘆いてるところです。したい人、したくない人どちらも
    不思議はないけど、なぜか組み合わさってしまうんですよね、ミオさんとは男女の
    違いはあれ全く同じ境遇です。男はしたければ風俗でいくらも紛らすことはでき
    ます。しかし違うんですよね、愛し合い性を享受することとは・・・ミオさんの
    記事を読んでいるとひしひしとそれが伝わってくるんです。素晴らしい人だなと
    共感しています。
    現在私たちは俗に言う不倫(そうは思わないけど)関係です。彼女はミオさんと同
    年です。やはり時折更年期症状で苦しんだりするようです。また、ミオさんの結婚①
    の記事でユウヤ君と8ヶ月目で15回・・・全くもって似てる!ますます親近感を覚えてこれも何かの縁かなと思った次第です。
    こういうことは周りの知り合いには話せませんよね、でも話したい、ミオさんのブログ借りてこんなことコメントしていいのかわかりませんが、聞いてもらえたらと書き込みました。また伺いますのでよろしく

    • ミオコ のコメント:

      のらさん、コメントありがとうございます。
      同世代で、同じような気持ちでいらっしゃる方、
      ことに男性からの率直なコメントは、私も考えさせられます。

      今、私は介護の仕事をしているせいもあって、余計とリミットを感じがちです。
      70,80,90と男も女も、人の身体はこんなふうに変わってゆくものかと、
      毎日まざまざと見るにつけ、尚更限られた時間が愛おしいです。
      身体だけでなく、心もいつなんどき壊れ始めるか、わからない。

      のらさんと彼女さんの関係も、私達ととても近い気がします。
      私も不倫という言葉は使いたくないし、思ってもいません。
      ただ、限られた人生の中で、縁あって巡り会えた間柄を、
      一点の悔いなく、愛おしんで終えたい。
      そんな気持ちでしょうか。

      ただ私にしても、のらさんにしても、そう思える相手に出会えただけでも、
      本当に本当にシアワセですよね。

      若い頃には思いもしなかった、相手を慈しむ気持ちで、
      限られたかけがえのない時間を、精一杯味わう。
      この歳でこんな恋が出来て、私は思い残すことはなんにもないなぁ、
      といつも感謝しています。

      のらさんと彼女さんが、どうか末永く一緒にいられますことを。
      心からお祈りしています。
      また時々のぞいて、私達の行く末も見守っていただけたら幸いです。

  4. のら のコメント:

    拙いコメントに心温まるお言葉ありがとうございます。
    そうですよね、限られた人生のなかで愛し合える人といられる事ほど幸せな事はないです。「最後はお前でいい」私もそう思っています。ただ彼女がどう思っているかはわかりません、私はユウヤ君のような遊びはできませんが、家庭の事、ほかの女性との事を結構気にするので・・・いつもずっと一緒だよって言ってますが・・・
    再開した(このことはまた書きます)時から私の中に「別れ」とか「終わり」と言う言葉は必要ありませんでした。年齢とかお互いの境遇からして一緒に(結婚とか同棲)なることは皆無に近いです・・・少しでも長く二人の時間をつくる事に専念すればいいことですからね
    死ぬまで一緒の時間が持てれば、そして愛し合える限り愛し合いたい
    ミオさんとユウヤ君の行く末見守らせて下さい。そしてお互い限りある人生楽しみましょう。

    • ミオコ のコメント:

      のらさん、コメントありがとうございます。
      このブログを書きはじめ、たくさんの方から、様々なコメントをいただきました。
      身を切られるように切実なものもあれば、
      私自身が別な視点を持てるようなものもあれば、
      共感していただいて、心温まるものもあり。
      いずれも、有り難い限りです。
      でも、思い切って書きはじめて、本当によかったと思っています。

      私達もおそらく、結婚やら同棲やらのゴールはないでしょう。
      でも、出会えたことに感謝して、一分でも一秒でも長く一緒にいられたら。

      若い頃にはこんな恋があるなんて、想像すらしませんでしたが、
      今、人生をかける恋が出来て本望です。

      のらさんと彼女さんのいきさつ等々もお聞きしたいです。
      お暇があったら、またコメントして下さいませ。

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