058-初恋。

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娘に彼氏が出来た。
大学卒業したら家を出て彼と暮らす、と言われた。

ほんの一ヶ月前「恋がしたいよ~」と私の前で雄叫びあげていたのに。
「恋ほど楽しいものはないかもよ」
そういう私に
「マジか~?早くしてぇ~」
と訴えてた恋愛バージンだったのに。
「バイト先の先輩にアドレス聞かれたんだぁ」
と、ちょっと照れ臭そうに話してくれたのが、一ヶ月前くらい。
「おっ、いよいよ助走ですね」
と、軽く冷やかしていたのに。
ジェットコースター並の速さに親は戸惑うしかないというか、なんというか…。

今どきのコは、こんな感じに話をもってくものなの?
昭和な私には、平成の基準はさっぱりわからない。
付き合い始めていくらもたたないうちに、彼は我が家に挨拶にやってきた。
ちょっと垢抜けないけど、実直さがにじみでているコ。
娘もあちらのお宅に挨拶にいったらしい。
あれよあれよという間に、双方の親公認を取り付け、
とにかく二人は結婚するつもりらしい。

あまりの急展開に、正直ついていけない私。
手塩にかけて育てた娘は、20年とちょいで私のもとからいなくなってしまうの?
でも、彼氏も出来ずいつまでも家にくすぶってられるよりはいいのかぁ?
なんだか、いろんな思いが交錯してまとまらない。

娘と夫は本当に良く似ている。
ハタチの夫が四つ年上の私と出会って、すぐに結婚すると決めてしまったように、
娘もたくさん恋愛するタイプじゃあないだろうな、とは思っていたけど。

だけど、恋の力ってすごいね。
毎日目の当たりにさせられる。
我が子なのに、こんな顔してたっけ?って感じ。
イキイキ、キラキラ、まぶしいくらいに綺麗にみえる。
どちらかと言えば「モッサリ」した感じのコだったのに。
「今日も会うんだぁ」
そういいながら、幸せでたまらないオーラをふりまいて出掛けてゆく。

恋っていいな。
生まれて初めての恋に幸せそうな彼女をみると、つくづくそう思う。
キラキラ輝いてる19歳の恋。
娘を見ていると、夫に出会った頃の自分を思い出す。
端からみたら、きっとこんなふうだったんだろうな。
懐かしいな。
だけど、51歳の恋も悪くない。
張り合うわけじゃないけど、若い頃とはまた違う醍醐味がある。
なかなか会えないし、お互いに背負うものもあるし。
それでも、それだからこそ、一緒にいられる時間がかけがえない。
何より10代と違うのは、もう残された時間がわずか、だということ。
この頃、ユウヤ君といられる時間が、ひとしお愛おしくてたまらない。
大人になってこんな恋が出来て、本当に本当に幸せだと思う。

ユウヤ君との付き合いも間もなく一年。
考えてみたら、夫を除けばこんなに続いたのは初めてだ。
我ながらちょっとビックリ。
たいした恋愛経験はないけど、だいたい数ヶ月で終わってたのに。

だけど、なんだろう?
出会ってからは確かに一年なんだけど、それ以前から二人で過ごしていたみたいな。
うまく言えないけど、一緒にいることがすごく自然で当たり前みたいな。
最近、そんなふうに感じる。

この前はお互い仕事が終わってから、待ち合わせて飲みに行った。
ビールでお疲れ様をしてすぐ、ユウヤ君がニッと笑って聞く。
「で、どうよ。娘は?」
メールでコトの次第はだいたい伝えていた。
「おまえ、今日は真っ先に娘の話、したいんだろうなと思ってさ」
「そうなんだよ~」
私は堰を切って話しはじめる。
ユウヤ君は途中であれこれ質問をはさみながら、興味深げに聞いてくれる。

最近気づいたけど、ユウヤ君はすごく聞き上手だ。
例えば、私の知人の話をしていても、
「その人はいくつくらいなの?」
とか、
「結婚してどのくらい?」
とか、要所要所で私に聞いてくる。
しかも私の話の腰を折らないタイミングで。
コレって結構大事。
話しはじめて止まらないときなんかは、黙って耳を傾けてくれる。
お互いの話がかぶったり、間が出来たり、ってなくて。
そういえば、一緒にいて次こうしたい、とか思うのもズレがない。
彼といて居心地がよかったり、ずっと前から一緒にいたみたいな気がするのは、
きっと「阿吽の呼吸」が、ものすごくあってるからなんだと思う。

最近彼は、職場でのセクションが変わったらしい。
「若い奴に、コレどうやんの?って聞きまくり」
屈託なく笑って話す。
今まであんまり聞いたことなかったけど、仕事に対するスタンスも話してくれる。
「モチベーション」なんて言葉が、いつも軽いユウヤ君の口から出ると、
「えッ?今なんて言った?」
と、心の中でツッコミ入れたくなるけど、
男の人が、自分の仕事のことを語ってくれるのはうれしい。
お酒もまわって、饒舌になるユウヤ君をみているだけで、満たされてくる。
一緒にいるときに、彼がくつろいでいてくれるのが伝わってくる。

もしも娘が彼と結婚して、お互いが元気で仲良くいられたら、
これからの数十年を二人で積み重ねてゆける。
私とユウヤ君には、もちろんそんな未来はないけれど、
どちらかがこの世から消えてしまう直前まで、
お互いをかけがえなく思う気持ちが続いたらいいな。
「出会えてよかったね」
「本当だね」
いつまでも、そう二人で言い合えてたらいいな。


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058-初恋。 への11件のフィードバック

  1. すーちゃん のコメント:

    待ってました(*^_ ’)娘さん、恋にまっしぐらなんですね。でもミオコさんも恋愛中だから、娘さんの気持ち、理解できるだろうしね!恋っていいよね(≧▼≦)娘さんが初恋 全うして結婚するならそれも良し!ミオコさんの場合は赤い糸はユウヤさんに繋がってたんだろうけど。 ちなみに息子の1人は祐也て名前なんですよ(笑)

    ユウヤさん最高ですね\(^O^)/ちゃんと話し、聞いてくれるっていいですよね。そうしてくれたらこっちもちゃんと耳をかたむけれる気がする。これからは、母娘の恋愛が同時進行のブログになるかな(*^_ ’)

    • ミオコ のコメント:

      すーちゃんさん、更新した途端のコメント、感激しました。
      待ってました、と言っていただき、本当に涙です(ToT)

      そもそもこのブログのタイトルが「セックスがしたい」じゃないですか。
      でも、幸いなことに最近は「セックスしてます」に変わってきて。
      付き合ってる相手のこととか書いても、果して皆さん、こんな内容を喜んでくれるのかどうか、
      ちょっとだけ筆が止まった時期がありました。
      そうたいそうな日常を過ごしているわけではないし、
      彼との付き合いを軸に、日々のことを書いていくか?
      でも、こんなの皆さんが求めてるのかい?と思いあぐねてました。
      でも、すーちゃんさんのコメントを読んで、
      そっか、素直に今のリアルな気持ちを書いていっていいんだ、と思いました。
      なんか、すごく嬉しかったです。
      ありがとうございました。

      ときに、息子さんがユウヤ君(笑)
      なんかすみません。
      洒落た名前にしたかったんです。
      彼の本名はもっと昭和な感じなんで。
      息子さんにも、ごめんなさい(^_^;)

      今月に入って元気取り戻しています。
      皆さんのコメントを心の支えに、がんばりますね。

      追伸・ユウヤ君を褒めて下さって、ありがとうございます。
      何より嬉しいです。

      • すーちゃん のコメント:

        早速、返信ありがとうございます。何を書いても自由なんじゃないですかね(*^_ ’) 読みたくない人はスルーするだろうし(^^)v 1つ前の記事のコメに ハルさんて方が 私みたいな立場の気持ちとか聞けたら!て書いてくれてたけど この場を借りて書かせてもらってもいいですか? 私も今まで誰にも言えなかった悩みなんです。私にとって、セックスは嫌で嫌で苦痛でしかなかったから。夫のことは好きでもセックスは避けたかったんです。だから、皆さんのパートナーの立場が私だったのかも。産後、1ヶ月検診もすまない内に求められ、私の体のことより自分の性欲満たすことしか大事なんだ!て、ものすごく辛かったこと覚えてます。だから、生理になるとセックスしなくていいから ホッとしてた。何よりもセックスが優先!みたいな感じの生活だったから。やっとここ1年前くらいから 自分でも楽しめるよーになってきたかな!てところです。長々とすみません。

        • ミオコ のコメント:

          すーちゃんさん、コメントありがとうございます。

          そうですよね。
          興味ない人はスルーしますもんね。
          そう言っていただくと、なんかのびのび書けますよね。

          読んでくださる方、お一人お一人にいろんな背景がありますね。
          すーちゃんさんも、今はセックスを楽しめると言えて何よりです。
          大好きな人と触れ合うのは、かけがえなないことですよね。

          これからも感じたことを私なりに書いてゆきますね。

  2. のコメント:

    お久しぶり♪

    娘さん♪今が1番楽しい時期なのでは(笑)
    でも、娘さん達のスピードにはミオコさん同様に私も驚きです。

    私の娘は今年就職したばかりで忙しく(幼稚園の先生)、今は男どころでは無い状態ですが、平成生まれだから彼氏が出来たらミオコさんの娘さんの様に一気に話しが進むかな

    最近は、温度差が大きいですから風邪には気をつけて下さいね♪

    • ミオコ のコメント:

      Kさん、あったかいコメントありがとうございます。
      更新も少ない、こんなブログを継続してのぞいてくださること、感謝です。

      娘と彼は、バイトあとにお互いの家に行く感じで。
      昨日も彼が来て、娘の部屋でしゃべってました。
      笑い声や歌声が聞こえ、なんだか本当に楽しそう。
      好きな人といる幸せって、こんな感じだったのかぁ、と我が身を振り返ります。
      Kさんの娘さんも、遠からず好きな相手を家に連れてくる日がくるんでしょうね。
      そのときはまた、親としての気持ち、コメントしてくださいね。

      朝晩、急に冷え込んできました。
      お体、くれぐれもご自愛くださいませ。

  3. 原 ケイ のコメント:

    こんにちは。

    更新ありがとうございます。
    そして、いつもご丁寧な返信もありがとうございます。
    こちらに移動してきました。

    同じ年頃の子供を持つ親として
    なんか 照れくさい感じです。
    ちなみにうちは まだのようですが。。
    でも、微笑ましくて いいですね。

    これからも
    あたたかく見守って行きたいですね。

    ミオコさんの恋も
    日々の出来事を書いていただければ うれしく思います。
    どんな些細な事でも
    素敵な 物語に引き込まれるようで
    楽しませていただいてます。

    素敵な彼との出会い、よかったですね。

    私は まだまだ緊張感もとれずの 遠慮もたっぷり。
    そろそろ その殻をと思いながら 次に会うのに日がたちすぎて
    戸惑うこともまだまだ 多いです。
    忙しいなら メール無理しないで、なんて
    言っては メール無いことに不安になっていたり
    こんな あまのじゃくの性格なんです。

    本当は、メールもたくさんしたいし、すぐにでも逢いたいのに
    無理なのが わかっていて言えないんです。
    この年で 笑っちゃいますね。

    では、また寄らせていただきますね。

    • ミオコ のコメント:

      ケイさん、可愛いコメントありがとうございます。

      恋をしているって、イコールいつまでも可愛いってことなんだなぁ、
      ケイさんのコメント読みながらいつも思っちゃいます。

      私もめちゃくちゃ良くわかります。
      返事はいらないから、そう言っておきながら、一行でいいから返事がほしい、
      いくつであろうと、恋する乙女はややこしいんですよね(^O^)

      でも、今恋してるケイさんは、内側からにじみでるように、キレイなんでしょうね。
      お会いしたことこそなくても、目に浮かびます。

      今の気持ちを大切に、そして長続きさせてくださいね。
      けど、大人の恋だから、周りを泣かせることだけは避けて。
      そして、ケイさん自身をキラキラさせてくださいませ。

      またご報告お待ちしています。いつも、本当にありがとうございます。

  4. のら のコメント:

    彼女と会う少し前でした、二つの歌に出会いました。今では自分の心の歌として
    います。機会があればカラオケでも歌っています。(下手です 笑)
    ひとつは竹内まりや「人生の扉」もう一つは中島みゆき「糸」です。ご存知かも
    しれませんが、よかったら聴いてみてください。私がミオコさんと娘さんのこと
    を色々と語るより今のお二人に(三人かな)ぴったりの歌かなと勝手に思ってます。

    今や男と女にまつわる歌は数え切れない程ありますが、そうした歌詞の中に自分を
    当てはめ実感できること、かつては考えられなかったですね。もしかしたら
    「別れ・・・・」なんて歌もいつか実感するのかななんて思うことありますけど・・・でも、決して過去の悪しきことや老いる事を嘆かずその年代を精一杯生きていきたいです。

    ミオコさんとユウヤ君 娘さんと彼氏 私と彼女 それぞれの歓びがまわりの人たちに幸せを分けられるといいなと思います。私の場合はちょっと虫が良すぎかもですけど・・・

    • ミオコ のコメント:

      のらさん、コメントありがとうございます。
      そして、素敵な歌を教えていただいて、本当にありがとうございます。

      早速ダウンロードして聞きました。
      中島みゆきは涙が出そうになって、竹内まりやは癒されました。
      お二人ともずっと第一線で活躍されてきて、素敵な歳の取り方をしていて、
      そんな彼女達の思いは、飾り気なくて本当に心に染み入りますね。
      「恋する」思いがなかったら、歌も小説も映画も、どんなに味気ないものか。

      先日、テレビから流れていた「赤いスイートピー」に、娘が聴き入っていたので、
      「染みるでしょ」
      と笑っていったら、
      「染みる~」
      とまたまた叫んでました(笑)
      誰かを愛おしく思うことを知ると、世界が変わるんですよね。

      本当にいつも暖かいコメントありがとうございます。
      のらさんと巡り会えた彼女さんは、本当に本当に幸せなんじゃないかな(*^o^*)
      そう思います。

  5. ハル のコメント:

    すーちゃんさん、お気持ちを聞かせて下さってありがとうございます。
    苦痛のセックスだったと思います。そして、なかなか相手には言えないですね。私は拒否された側ですが、夫には夫の理由があるとは思っても、いざ夫に対するとイヤミか維持を張った言葉しか出そうになく、言葉を飲んでしまいます。態度もしかりです。
    こうやって、直に見る言葉には説得力があり、私の夫もそれなりの理由があるのだろうと、今までにない優しい気持ちが沸いてきます。
    理由を聴こうとする姿勢は必要ですね。私に足りないところです。
    気付かせて下さりありがとうございます。日々の生活の中、気持ちに余裕がなく、更にセックスレスを意識するともっと余裕なくなる悪循環でしたが、このような場で、冷静に聞く事ができよかったです。
    末筆ですが、ミオコさんにも深く感謝致します。

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